「気」とはなんぞや?

第1回目のブログです。まずは東洋医学の基本中の基本である「気」についてお話したいと思います。

 

我々東洋医学を学ぶ者は、「気」という言葉をごく普通に使っていますが、さてさて「気とはなんぞや」と問われれば、はっきりとそれを定義づけしたり認識出来ている人は多くありません。

 

鍼灸師という職業は、あくまでもフィジカルな側面からアプローチする立場のものですから、安易に形而上学的な話をしたりスピリチュアルな世界に足を踏み入れるべきではない、と私は考えています。(スピリチュアルな領域を否定しているわけではありません)

 

 ★形而上学

  • 感覚ないし経験を越えた世界を真実在とみなし、その世界の普遍的原理について理性的な思惟によって認識しようとする学問。

しかしながら、同時に東洋医学は『ホリスティック医学』の分野に属するものでもあります。

 

 ★ホリスティック医学

  • 人間を「体・心・気・霊性」などの有機的統合体として捉え、社会・自然・宇宙との調和に基づく、包括的・全体的な健康観に立脚した医学。

ホリスティック医学では、人体をパーツの寄せ集めとはとらえず、さらには「気」や「霊性」という言葉まで使って定義しています。

 

「気」は一般的な五感では見ることも触れることも出来ないばかりか、分子や原子のレベルでも捉えることが出来ないものなので、これを語るにはどうしても形而上学的な説明に依らざるを得ません。

それゆえ、まずそのことを踏まえた上での話である事をお許しいただきたい。

 

私たちは一般的に認識しているフィジカル・ボディー(肉体)の他に、2つのスピリチュアル・ボディー(霊的身体)を持っています。

これらは肉体より精妙な質料から構成されており、その一つはアストラル・ボディー、もう一つはメンタル・ボディーといいます。

アストラル体は感情や欲望と繋がっているので『感情・欲望体』とも呼ばれ、メンタル体はさらに精妙で、理性や知性と繋がっているので『精神体』とも呼ばれます。

さらに精妙な領域にはコーザル体(原因体)とかブッディ―体(法体)とかがあり、さらにさらにその上の領域もあるのですが、最初に言った通りそちらには足を踏み入れません。

 

さて、アストラル体まで戻って……

 

実は肉体とアストラル体の間にはもう一つ、エーテル体と呼ばれるものがあります。

これは肉体とアストラル体を繋ぐ役割をしているものなので、ボディーと呼ぶよりエーテル質という方が正しいようです。

 

このエーテル質こそが、我々がいうところの「気」に相当するものです。

エーテル質というのは半霊半物なので、物質として機械でとらえたり五感で認識することは出来ません。

これまで「気」を計測しようと様々な実験が試されて来ましたが、今だに決定的な答えが見い出せずにいるのはこのためです。

 

では、どうすれば「気」を認識し互換性を得られるのか?

それは同じ振動数を持つもの、すなわち生命体である我々自身の”気の感覚”を磨くしかありません。

 

半霊半物である気は、意識や感情・欲望の影響を受けますし、また肉体に影響を与えます。

逆にいえば、継続的に施術を受け「気=エーテル質」のコンディションを整えておけば、肉体や精神も健全でいられるというわけです。それを可能にするのが、経絡トリートメントとしての鍼治療なのです。